Thursday, December 3, 2009

本格的な翌日の競演(5)

 和男は君子と二人でまず出かけるということが彼にとっても彼女にとっても何を意味するかに頭が一杯で、既に半ば怒張しかかっている自分のペニスを必死に鎮めようとして食事し終わった後の食器を台所まで戻している時にトイレから出てきた君子と瞳同士が接触し合うと、君子は僅かに笑みを和男に返したことをこれから起こることのサインと勝手に和男は受け取った。そして未だそういう気分になるのには早いと気を静めて応接間の壁にかけられたハンガーに吊るしてあったジャンパーを着込んで、君子が化粧をし終えてから車のところまで来て運転してくれるのをガレージ近くまで靴を履いて外の庭まで出て歩いていった。昨日は気づかなかったが、そこには昨日彼を総一郎氏が乗せてきてくれた車意外にもう一台別のセダンが置かれてあった。和男を乗せて君子が運転して出かけた後、それで総一郎氏は追いかけるのだろうか?
 そんなことを考えていながらも彼は庭に咲く色々な秋の花を観賞したりしながら、平安神宮とか御苑の相貌を眺めて色々なアングルから一眼レフを鞄から取り出し写した。
 しかし人生というものは何が起きるか分からないものである。ほんの一日前には見ず知らずの間柄であった一組の男女は泡沫ではあるにせよ、何らかの接触を持つということ自体が、初めからこちらから何もかも曝け出すという習慣自体のない和男のような関東人にとって極めて偶発的なことである。しかし人生とはこういう偶発的な出来事自体の連綿として連なりのことを言うのである。そういう風に考えればあるいはそれから起こり得ること全ても全て最初から決まっていたのかも知れないとさえ思えてくる。
 十分くらいしてから君子が程よい化粧をして中から出て来て、和男の待つガレージ近くまでやってきた。昨日とは少し違う匂いの香水だったような気がした。しかしそれも只気のせいかも知れない。
 君子が昨日自分を総一郎氏がそこまで乗せてきてくれたセダンの運転席に乗り込み、ガレージの外で待っている和男の下まで車を出した。そして和男は君子が誘導するままに彼女が開けてくれた助手席のドアを更にこじ開けて中に入った。さて始まった。これから君子は更に何か仕掛けてくるに違いない、そう思うとそれだけで和男は自らの亀頭が膨らんでくるのを妨げることが出来なかった。彼女は女優で言えば、そうである辻沢響江に似ているかも知れないし、スカーレット・ヨハンソンにも少し雰囲気が似ている。兎に角近くで(その時まさに彼女の息遣いそのものが直に確認出来る位置にいたのだが)彼女の気配を察していると、それだけで女性の色香に脳髄が痺れてくるような感触に和男は浸りきっていたのだ。

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