Wednesday, November 18, 2009

本格的な翌日の競演(4)

 和男は鮎の塩焼きを食べながら突如、昨日君子のブロウジョブを食らってから眠りこけた後に早朝辺りで見た夢の内容を総一郎氏がテレビのニュースの地方版を見ながら快活に喋りながら食べている姿を目前にして思い出した。それは確かに最初茜が出て来て手招きしている。しかしその後ろにあの芝沢が腕を組んでじっとこちらの様子を伺っている。そして茜の手招きで誘導されると、そこらは一体が霧が立ち込めていてまるで天国のようである。最初から闇の中からスポットへ浮かび上がる茜と芝沢だったのだが、その時初めて自分がこの世の人ではないような気がした。
 茜の手招きで誘導された空間の果てに確認出来た光からシルエットが浮かび上がりそこに菊池真理がいる。自分も茜も(茜はクラブでは和服姿だったが)洋服を着ているが、逆に菊池真理は和服を着ている。そしてこちらに手招きしている。「こっちへおいで」という風に。気がついてみると茜も芝沢もいなくなっている。見えるのは菊池真理の風体だけである。シルエットから浮かび上がって最初はただ黒々とした影だったものが、次第に顔の表情から細かい仕草まで何から何まで確認出来るようになった瞬間、君子の「和男さんそろそろ起きられませんか?」という声が聞こえた気がした。

 カーテンを開けきって庭とその向こうに開ける視野に平安神宮や御苑までが見渡せるその光景を眺めながら和男と総一郎は朝食を平らげた時、外は少し暗くなってしっとりとした霧雨が振り出した。和男が箸を置いて、傍に置かれてあった湯呑みでお茶を飲んでいると、総一郎氏が
「私はちょっと朝片付けなければいけないことがあるので、先に河合さん、君子の運転で出かけて下さい」
と言った。そう言えば、君子に「河合さんです」と紹介した時一旦総一郎氏は車をガレージに入れるために出て行ったが、ガレージは一切見ていなかった。
「そうですか。分かりました。ではそうします」
と返答していた和男だったが、自分と君子夫人が二人で車の中に閉じ込められるということが一体どういうことを意味するのかということを考えずにその返答をすることが和男には出来なかった。そう返答しながら密かに和男はペニスの先端から俄かに汁が滴ってくるのを感じないわけにはいかなかった。

Tuesday, November 17, 2009

本格的な翌日の競演(3)

 その日は前日に較べれば少し曇ってはいたが、辛うじて晴天と呼べるくらいには晴れていた。しかし実際和男にとってその日が最後の京都滞在日となるべきだったし、また事実翌日からはまた事務所での仕事が待っている。京都で撮った写真を下に作成しなければいけないウェブデザインの仕事が翌朝から待っている。しかしだからこそ休日として最後の時間を有効に過ごしたいと願っていて、思いもかけない体験をしてしまうことになったのだ。
 君子は応接間で大型画面のテレビでニュースを見ている和男と総一郎氏とが寛ぐ前に置かれたテーブルに朝食の味噌汁とご飯と桂川の上流で取れた川魚鮎の塩焼きを運んできた。それを総一郎氏は「今日が京都で最後に日なんですから、どうぞ遠慮なしにお召し上がり下さいな」と言って勧めた。昨日は少し飲み過ぎたとも思ったが、思わぬおまけがついていたので、そんなこともすっかり忘れていたが、多少昨日の後から運ばれてきた日本酒の匂いが未だ口元に残っていたし、多少後頭部に二日酔いの兆候が確かめられた。
 君子は二人に食事を運ぶと台所に引っ込んだ。結局和男はニュースを見ながら
 「例の殺人犯どうなったでしょうね」などと言いながら、数週間くらい前に殺害された女性代性の遺体発見という痛ましい事件の犯人に対して言及したりして、それに適当に合わせて和男は応対していた。
「いやあ、こういう事件に巻き込まれるということ自体がもう運命としか言いようがないですな」
と総一郎氏が言うと和男は
「そうですね、ご両親はいたたまれないでしょうね」
と返した。しかしこの夫婦には子どもはいないのだろうか?いつ結婚したかということも知らないし、サーカスの団員だったこの総一郎氏が不慮の事故で下半身不随になった時には既に結婚していた、ということしか和男は知らされていなかった。又向こうからそういうことを自発的に告白しでもしない限りそういうプライヴェートなことまでこういう形でお暇している時に尋ねるものではないと和男は一切何も自分からは質問しはしなかった。
 そんなことよりも君子の中にある真意の方がその時の和男にとっては問題だった。
「奥さんは何をなさっているんですか?」
と和男がニュースを見ながら楽しそうに和男に語りかけていた時ふと質問すると総一郎氏は
「いや、今日あなたがお帰りになるわけだから、最後に午前中にここら辺を車で散策してみようということで、昼食を用意しているみたいですよ」
と言った。すると畏まって和男が
「いやあ、昼食までご厄介になるなんて恐縮致します」
と言うと総一郎氏は
「まあ、あなたがもっと早くご帰宅されたいと仰るのであれば、昼食時まで付き合って頂けなくても構いませんですけれどね」
と言った。すると和男は
「そうですね、私もそろそろ帰り支度をしなければね」
と言った。尤も一眼レフのデジカメを仕舞い込んだショルダーバッグだけを持ち帰るだけのことだが、新幹線の切符を京都駅で直接買うわけだが、休日なので早めに駅に行ってその日のチケットを買わねばならない。たまたまその時は往路のチケットだけを直接東京駅で買ったからこうして一泊していたが、復路のチケットまで買っていたのなら、そうはしなかっただろう。従って君子からの誘いを受けたということは一つの運命だったのかも知れない、とそう和男はその時思った。

Thursday, November 12, 2009

本格的な翌日の競演(2)

 和男はそれにしても室内においてもそうだし、車に乗り込む時もそうなのだが、この総一郎壮年の所作が実に慣れている、下半身不随であるということだって、肢だけであり、意外とそれ以外は屈強なのかも知れないとさえ思ったのである。昨晩自分が君子からの指の口によるサーヴィスの末に果てて、愉悦のまま眠り込んでしまった(このように他人様の自宅において夫人のサーヴィスを享受するという状況自体に少し疲労を感じ取っていたが故に不覚にも熟睡してしまった)ことを少々悔いた。と言うのもあれから君子夫人が寝室において自分の夫とどのようなことをしていたか、寝息を鎮めるくらいの意気込みで隣室に傍耳を立てていればよかったとさえ思えたからである。つまりそれくらいにこの夫婦の在り方には興味をそそられる。
 そんなことをぼんやりと考えていると、君子が台所から
「河合和男さん、お風呂がもう沸いていますけれど、お入りになってから朝食になさいますか?」
と聞いた。それに対して和男は目の前にいる彼女の夫である総一郎氏に対して
「私が先に入っていいのですか?」
と尋ねると総一郎は
「構わんですよ、私はいつも入っているから、あなたの後でもいいし、第一いつでも入れるから」
と言って更に
「そうだ、今お入りなさい」
と言った。その好意に嘘がないようだったので、和男は台所にいる君子に少し声を張り上げて
「では奥さん、ご好意に甘えまして、入らせて頂きます」
と言うと君子は
「ゆっくりとお体を解して下さいね」
と言った。まさか後から君子が入ってくるということも夫の手前あるまいと思って、一瞬そう想像した自分を和男はエゲツないとそう思った。しかしもうとっくにエゲツない姿態を彼女に晒しているのである。そして昨日彼女の口にたっぷりと可愛がられた後に、彼女の顔に果てた時に、これは菊池真理であればな、と一瞬そう思ったことを思い出し、再び和男は風呂場がトイレの向かいにあることを総一郎氏教えられて、その前に脱衣籠が置かれてあったので、勝手に脱いでそこに脱衣を入れると風呂場に入った時自分のペニスの先にある亀頭がやや膨らんでいることを目にしたり、自分でも下半身に昨日の夜の君子のフェラチオに対して早くも懐かしさを感じてさえしている自分を発見していた。これは一発風呂場で君子のヌードでも想像してマスターベーションをした方がいいかとも思った。
 君子に誘導されて右手で彼女のバルトリン氏腺液をぬるぬるとしたねっとりとした感触と共に感じていたことから、そしてその出し入れとは別箇に時折彼自身の行為選択によって彼女の小陰唇と大陰唇を摘んだりしながら刺激を与えて、彼女の息遣いが荒くなっていく様を確認しながら彼女の舌によって刺激を与えられてぬめっとした暖かさを感じていた彼のペニスや尿道や亀頭に残った余韻を、特に射精した瞬間の尿道に感じるあの得も言われぬ快感を再び味わいたいと思いながら、湯船に浸かって、和男はこの日本式の桶に入った湯の中で自らの勃起したペニスをゆらゆらとお湯によって屈折した状態で眺めながら、今度は視覚的イメージとして君子の肉ビラを想像しながら、ピストン運動を彼の利き手である左手で促進させた。それにしてもその時、彼が利き手が左手であることを見抜き、敢えて君子は自分の右手を自分のワギナに誘導したのかも知れないとさえ、和男は考えた。勿論言うもがなである。利き手以外の手で手淫することと同じようにそれを他人にして貰うことを予想外の快感をある固有のぎこちなさにおいて得るためである。
 もしそうであるなら、君子は予想外に壮絶な快感追求主義者かも知れないと思いながら、彼は湯船の中に精子を混入されるわけにはいかないから、立ち上がって、浴槽の外に勢いよく自らのザーメンを飛ばした。すると風呂場のドアの曇りガラスの上に自分の精子が飛び散ったのを確認して、傍に置かれてあった洗面器に湯船の湯を入れてそれをその箇所に向けて浴びせかけさせた。すると彼自身のねっとりとした勢いにいい精子が次第に白さを薄れさせてお湯と共に垂れてくるのを見て、今度は和男は君子の愛液を直に視覚的に確かめてみたいとそう思った。その時菊池真理の笑顔と彼女が密かに濡らしているワギナからバルトリン氏腺液を滴らせていることすら想像していた。
 吸水口に自分の放出した精子が湯気を立てながら薄まって吸い込まれていくさまを眺めて和男はそれを君子のすぼまったワギナに見立てて更に勃起し始めていた。

Wednesday, November 11, 2009

本格的な翌日の競演(1)

 結局それっきり君子は和男の下に戻らずに翌朝になった。和男は一回君子にすっきりとした気分を味わえたので、ぐっすりと眠れることが出来た。そして七時近くになって何かごそごそと起きて仕事をしている音が台所から聞こえてきたので、君子が炊事をしているのだろうと、和男はすっかりと目が覚めた。
 昨日の夜のことを思い出しながら和男は久し振りに二十代の青年のように朝立ちをしていることに気づいていた。それにしてもあの高校生の頃には時々夢精さえしたものだったし、あの精子がべっとりと纏わりついている感じは流石にブリーフの場合気持ち悪いものであったことを一瞬和男は思い出していた。あの頃は精子も常にずんずんと勢いよく放出出来たものである。要するにスペルマ地獄である。しかしそのスペルマ地獄の快楽も強烈だった。キャバクラなんかに行くと、中年の色っぽいホステス嬢が彼の脛の辺りに手をそっと置いて、ずっと円らな瞳で彼を見つめて和男の話などを聴いていたものだった。そんな時密かに彼はペニスを充血させて、下半身に固有の熱さを感じ取っていたものだった。頼まれれば即相手を抱くことも出来た。
「和男さん、もう起きて召し上がりますか?」
と君子が台所から昨日の夜明けた襖の外まで来てそう言った。すると和男は
「そうですね、頂きますか」
と言ってがばっと起き上がり、昨日脱いだ衣服を即座に着込んで隣室である応接間のソファに腰掛けて待った。すると総一郎の旦那がそそくさと起きて浴衣姿のままそこにやってきて、昨日と同じ場所のソファに座った。そして
「昨日はよく眠れましたか?」
とそう聞いた。和男は一瞬決まり悪い表情を浮かべたが、即座にそれを見せまいとして
「ええ、とても」
と簡素にそう答えた。
 昨日は君子もさぞかし気持ちよく眠れたのではないだろうか?いやあの後この総一郎壮年と一勝負行ったのかも知れない。そのためにアペリティフとして和男は供せられただけなのかも知れない。つまりこの変態夫婦の快楽追求のために和男はただ単に誘われただけだったのかも知れない、そう和男は考えた。しかしそういう内容を考えているなんて、勿論一切この目の前の壮年には気づかれないようにしなければならない。

Saturday, November 7, 2009

総一郎氏と君子との競演⑦

 和男のトランクスの中で彼のザーメンが独りでに暴発してしまった後、和男の精子は大分トランクスの中で乾いて久し振りに彼のお腹に触るトランクスの感触がこちこちになっているのを密かに感じていた和男を暴発した瞬間それを外から眺めて悟っていた君子の笑みが含んでいた意味を和男が噛み締めていた時、彼女が既に長い時間食べたり飲んだりしていた男性郡の食事と酒で汚れた食器を片付けるために台所に引っ込んでいた時総一郎氏は、和男から向かって左に庭が眺められ、その庭を眺めるのに大分日が暮れていたので、カーテンを締めてから、和男から向かって右の応接間の奥に置かれた大型のテレビの脇にあるDVDの棚から、一本を取り出して「カサブランカ」でも見ませんか?」と和男に問い質した。和男は「いいですよ。見ましょう」と総一郎氏に返答したので、彼は彼の下に据えつけられていたDVDデッキに取り出した円盤を入れて、傍に置かれてあったリモコンを手にとってオンにした。
 すると音楽が流れて懐かしいあのマイケル・カーティス監督の映画が始まった。和男は先ほどまで感じ取っていた性的興奮を鎮めるのに、色々「この場面がいいんだ」などと途中で和男に同意を求めるように話しかけることによって都合がよかった。第一さっきまで色情的妻である君子の手が巧みに和男の下半身に刺激を与えてきた一部始終を一切隠すことが可能ならくらいに和男と総一郎が食べたり飲んだりしていたテーブルは高かったので、その下でごそごそと巧みに和男の太腿や脛を摩っていた姿態そのものを、和男でさえはっきりとは上から見極められなかったので、その見極められなさ自体が和男に目線でアモーラスな色情的秋波を送ることを効果的にしていたのだ。それは和男と君子の間だけの同意であるかのような君子からの脅迫的な目線であった。
 しかし勿論それさえ最初から承知で敢えて総一郎氏は和男を自宅に招き入れていたのかも知れない。
 
 映画を見終わった時すっかり外は暗くなっていた。少し寝るには早いが、総一郎が
「明日は南禅寺へ行きませんか。三人で」
と言ったので、和男は
「別に構いませんけれど、明日中に新幹線に乗って東京まで戻れれば」
と返答していた。すっかりお邪魔してしまったし、まるで予想もしていなかった、和男の射精体験だった。
 そして和男は総一郎の「明日も訪ねますから、今日はもうお互い休みましょう」という提案に和男は素直に従った。郷に入れば郷に従えである。
 和男が布団の中に潜り込んだのを見届けてから、総一郎氏は室内の照明を消した。しかし暫くどころかずっと和男は眠りにつくことが出来ずに、ずっと目を覚ましたまま興奮が鎮められなかった。いやそれどころかそれから何が彼の身に起きるのかをずっと静観して待機していた。
 案の定、十時半くらいになった頃、応接間の奥の奥にある総一郎氏夫妻の寝室から一旦渡り廊下(そこを通って君子は二人に食事や飲み物を運んでいたのだ)から右側にある和男が寝ていている客用寝室に襖を開けて入ってきた。暗かったので顔までは見届けることが出来なかったものの、すぐさまそれが君子であることは廊下の向こうにある円窓から確かめられる月明かりでシルエットが浮かび上がったので、和男は了解出来た。
 君子は和男が寝ている布団がその月明かりが確かめられるように枕を平安神宮側に置いてある配置において和男の右側にすっくと屈みこんで、腰を畳に置いた。そしてそっと布団を少しだけ捲くり上げて、和男に着せるように映画を総一郎氏と共に見終わった時に渡されて着込んでいた客用に浴衣の中に手を潜り込ませて、君子は手をするすると和男の下半身の方を弄り出した。和男は多少動転していたが、遂に来るものが来たという俎板の上の鯉の気分でそれから先にどうなっていくかを待ち構えていた。
 君子は蚊の啼くような小声で
 「和男さんの優しさを拝見致しますわ」
と彼女は右手で和男のペニスを探り当て、左手で自分の胸元に向かわせ、自分の両方の乳房を鷲掴みにして徐々に勃起しつつあった自らの乳首を摘まんで刺激を与えていた。そして彼女の右手は既に君子がその部屋に侵入してきたことを確かめた時から勃起しつつあったが、その時はすっかり怒張していたので、それをゆっくりと上下運動させていたのだ。和男のペニスのピストン運動を少しずつ加速させながら、今度はそれをはっきりと布団の下から暗い室内ではあったものの、形だけははっきりと分かるように布団を肌蹴させつつ、和男の浴衣をすっかり下半身丸裸にさせて、それを今度はゆっくりと上半身を下方に屈めて、自らの口元に近づけて、それを少しずつ喉元まで含みこんでデンマーク式のフェラチオをし始めた。英語で言うところのblowjobを開始したのである。
 和男のペニスはどくどくと血流がその一点に集中し始め、どくんどくんと君子の生暖かい喉の奥の唾液のぬるりとした感触と舌の巧みな動きに反応し始めた。
 そして今度は自分の胸を鷲掴みにしていた左手を和男の遊んでいた両手の内右手を掴んで自分の下半身に誘導した。君子もまた浴衣を着ていたので、下半身を肌蹴てその内奥の秘所に君子が誘導して貰うままでいた和男の右手の人差し指と中指は、しゅぼっと小さな音を立てて、君子の濡れそぼったワギナに侵入していった。君子の肉びらはしっかりと彼女を花弁を開かせるに十分に左右に垂れていた。君子は一瞬顔を和男の耳元へ降ろして
「優しく掻き回してね」
と言った。和男はペニスはその瞬間より勃起を加速させ、射精へと至る経路に道を開いた。君子の舌の動きは巧みで優しい母親のような感じを和男は抱いた。こんな優しい母親のような女性に実の母親にはして貰えないことをして貰えるということが大人の男性の特権である、とこの時ほど思ったことは、そういう経験が若かりし頃には多くあった和男であるにもかかわらず、なかった、そう彼は思った。
 和男はその時はそれ以上、隣室に寝息を立てているであろう総一郎の手前挿入までは要求するものではないと思っていたので、徐々にピークへと達しつつあった彼自身のペニスが充血していくに従って彼自身の腰を浮かし気味にして上下に動かした。そうすると余計に君子の口元に納まった彼のペニスと腰全体に伝わる性的快感が高まるのだった。
 彼の怒張した亀頭の雁首の普段は隠れている箇所に散在している棘棘たちもすっかり勢いたって彼自身の性的快感を高めるのに貢献している。
 もうこれ以上耐えられないと悟った瞬間、和男のペニスは最後のピストン運動へと突入したと感じ取った瞬間君子はやおらにそれを口元から抜き取って、その絶頂の大きさになっていた和男のペニスの亀頭の先に鼻先と目元の中間くらいに自分の顔を位置づけた。その瞬間和男は自らの体内から精子を彼女の顔に発射していた。君子はその発射されたばかりの和男の体内から出された生暖かいぬるぬるとした液体を頬張るように愛おしさを噛み締めながら口元に垂れてくる一部の精子をも自らの舌に掬い取ろうとした。そして小声で
「和男さんの心の優しさを映し出させた愛しいザーメン」
と一言言った。その言葉を聴いて再び和男の前立腺は刺激されていたので、もう一度勃起しかかっていた。そして和男は思わず起き上がって、君子の顔に自分の顔を近づけ、彼自身の今さっき放出させたばかりの生暖かい精子に塗れた君子に口付けした。その瞬間自分自身が果てさせたその時の性欲の成果の味を味わっていた。するとその瞬間君子は
「和男さんご自分の味わってみてどう?少し甘い味でしょう?」
と小声でそう囁いた。その囁きの時の口元から発せられる生暖かい息遣いが彼の鼻先にかかった。その時彼の右手は一瞬君子のワギナがびくっと動いたのを確認していた。そしてとろーりと彼女は自身の体内から生暖かい愛液を滴らせていた。その愛液に無性に愛おしさを感じた和男はゆっくりと彼女の下半身の最も奥の部分から彼自身の三本の指を抜き取ってそれを自分の顔の方へ持っていき、その匂いを嗅ぎ取った。その匂いを自分の鼻先に持って行った和男は幼い頃に母親に抱かれて風呂に入り風呂から出てパウダーをぱたぱたと汗ばんだ彼の首筋に這わせてくれた時に嗅ぎ取った母親の匂いを思い出していた。
 その時和男は何故男性とは異性として立ちはだかる女性に対して自らの赤ん坊から幼少の頃の自分が母親に抱いていた郷愁を重ね合わせられるのか、不思議に思った。今勃起して果てたそしてもっと続けて抱けることさえ出来る相手は明らかに母親ではなく異性であるのに。しかしもっと先まで要求したくなってきていた和男の真意を君子はあざとく見抜き
「今日はここまで、和男さん聞き分けて下さいね。隣に夫も寝ています」
と和男の耳元に口を近づけてそう囁いた。その囁き方が何とも切なかったので、和男はつい自分の先ほど射精したために精子を放出したがために何とも言えない愉悦の状態(どうしてこんなに気持ちいい状態を神様はお与えになられたのであろうか、といつも射精した後和男はそう思うのであった)であった尿道を通ってその切っ先からカウパー氏腺液を思わず漏らしていた。俺は未だ未だ女を抱ける、そうだ、俺のペニスは寧ろ今が絶頂だ、そう思い、それを悟っていた君子の頬に和男は感謝して、君子がその部屋から静かに立ち上がって去る前にお互いもう一度キスをした。それは彼が幼い頃に母親にしたキスのようだった。

Thursday, November 5, 2009

総一郎氏と君子との競演⑥

 ところで和男はこういった一切をこの目の前で自分が今まで見た映画の話に移行して、勝手に好きな映画のことをべらべらと喋り捲る親父である総一郎氏は自分の妻の変態的な誘惑に関して気づいているのだろうか?もし全く何も気づいていないのだとしたなら、この夫は妻が好きなように他人の男性とその時々で楽しんでいることになるから、極めて気の毒というか、お人好しと言うべきか、兎に角そんなことではいいように妻にさせることになる、とそう思ったが、意外とそういうこと全てをお見通しであるどころか、妻にそういうアヴァンチュール自体を勧めている可能性さえあり得るとも思い直した。
 この館に来てから数時間が既に経過していた。未だ昼になるかならないかの時間に車に乗って、着いた時は正午近かったが、どうやら歓談し続けている間に大分夕暮れ時も近づいてきていた。しかし三人とも、尤も妻である君子はそれほど飲んではいないが、少なくとも男性郡二人はかなりアルコールが回ってきていたから、言葉もそれなりに饒舌になっていたのだが、和男自身はそれに付加された君子からの淫欲的表情の誘いを仄めかす態度自体にどぎまぎして、総一郎の手前どうしたものかと思いあぐねていたものだから、それでも衰えてはいない彼の下半身のエナジー自体が極めて想像力を通した知性によって逆に彼の理性に逆らって勃起し続けたり、精子を勢いよく射精したりするのに、まるでズボンを履いたままでいる状況自体が蛇の生殺し状態を体現していたものだから、それを横目で眺めながらこの君子は恐らく一度は自分で勝手に想像しながら行っていてさえいるかも知れないとそう思った。男性に愛撫されたり、舐めたりして貰わないで自分自身の男性に対する観察と想像においてアクメを下半身に誘導することが出来るのであれば、本当の性戯においてはそれどころの刺激では済まないなとさえ和男は懸念さえ抱きつつ、実はそのやがて訪れるのではないかと想像される状況を前にその愉悦の激しさ故に背徳的な興奮を誘うことを激烈な期待と共に身体が反応してしまっていること自体に恐れ戦いていたのである。相手が菊池真理であるとか、茜であることを想像しながら君子の肉体が恐らく彼のどぎまぎしている姿を目前にしてどれくらいの熱を帯びてきているかを想像すると、それだけでまた君子にズボンの中で勝手に勃起していくことを寧ろ誇らしげに見せびらかしてやれ、とさえ思うのだった。しかも目の前に自分の妻に勃起している中年男性を前にして語る夫がいるのである。
 ある意味ではいい女とは想像だけでアクメに到達することが出来るのだ。そのことを気付きあった女性同士はいい刺激を得られる場所を同性同士で知っているので、いいレズビアンパートナーになり得るものである。それ自体を気のある男性に誇らしげに見せびらかすことで余計にラビアエンスージアズムを誘引してしまうのである。
 所詮女とはいい意味でも悪い意味でもメンスによって外部に排出させるような生理自体を隠しても、オープンにしてもうずうずと外部から男性に誘引されつつ液体を発散させたり、愛を表情から醸し出させたりしながら全身で愉悦しているそういう生き物なのである。それを存在として感じて男性は勃起して、精子を射精する。このシステム自体が人類を繁栄させてきたのだ。これは酒を飲みながらの饗宴ではあるが、性の競演でもあるのだ。
 東山から認められる西日がそろそろとっぷりと暮れていく頃、大分酒の回った総一郎と和男は一度和男自身がトイレで、二度目にはズボンの下にくぐもらされていたペニスの切っ先から射精しながら、その感じてしまった女性の夫と親しげに話すという状況自体が、和男にその夜何かあるかも知れないという想像を止ますこと自体が極めて困難であった。
 もうここまで来れば<毒を食らわば皿まで>である。
 その夜、と言うよりそれよりも少し早い時間帯に既に君子は隣の客用の寝室に布団を敷き、まるで観光地の旅館の女将のようにシーツを敷布団の上に敷き、掛け布団を出してそこに引いた。総一郎は「ウッディー・アレンも大分枯れてきたよね」とか「やはりビリー・ワイルダーがいいね」とか「それにしてもロバート・アルトマンは天才だった」とか一人で、尤も和男も映画に関してはそれなりに知識的にも、好きであることでも一過言もっている積もりだったので、決して退屈な話題ではなかったので、真意レヴェルでは彼の妻である君子の肉体に火照った身体そのものはずっと反応し続けてきていたのだが、適当に総一郎に相槌を打っていてのだった。
 それにしても先ほど来、君子が和男の右耳と右の頬に吹きかけてきていた溜息と熱い吐息は実に和男の前立腺を刺激し続けていた。今夜はいい勃起がまた到来してくれるだろう、と和男は自らのペニスに密かに語りかけていた。「おい、お前しっかり頼むぜ」と。

Monday, November 2, 2009

総一郎氏と君子との競演⑤

 暫くの間気持ちを抑えるために立ってマスターベーションをした後に、洋式トイレの便座に腰掛けて深呼吸をしてから二人の待つ応接間へ戻ろうと和男は思った。
 和男は先ほどまで座っていた君子の隣にまた戻って行った。君子は笑顔でウィンクを和男に夫の総一郎が和男の方へ振り返った隙に送った。その瞬間また和男のペニスは今しがた精子を放出したのに、切っ先にカウパー氏腺液を滴らせるような想像を誘ってしまった。もうこうなったから構うものか、自らの下半身の欲望を若い女性にいい中年が、性欲が旺盛であることを憚ることなく見せびらかすようにして開けっぴろげにしてやろう、とそう思った。何故なら君子はどうもそういうことに対して倫理的規定を他人に設けるようなタイプではないどころか、そういった欲望を剥き出しにしてくること自体大歓迎である、そういうタイプのように和男には思えたからである。しかしそれは間違いではないどころか、そんな悠長な判断を全て無効化するくらいに手慣れた女性なのである。
「河合さんはお隣の部屋にお泊り下さいね」
と君子は言った。和男は泊る場所なんて同じ家屋の中であるなら、どこだって同じだとそう思った。それどころかこれから夜自分は果たして眠らせて貰えるのだろうか、とさえ和男は思ったのだ。そして再び君子は和男の脛と膝と腿の辺りを摩りだしたのだった。
 和男は再び中年男性の性的能力を快調に発揮させてズボンの中にくぐもらせていたペニスを勃起させていた。もっと摩って心地よい刺激を加えて欲しいと、和男のペニス自体は叫んでいた。
 東山の景色が夕暮れ色に染まる頃、君子の大胆不敵な笑みを横目で眺めながら、和男は先ほど抜いたばかりだと言うのに、再び今度はあろうことか、そのままズボンの中で一度果てていた。それをびくっびくっとピストン運動をする和男のペニスを君子は上から察知して更に笑みを深めて
「河合さんたら、まあ、あなたの優しさを発揮してこられたわね」
と意味深なことを行った瞬間、君子は右隣に腰掛けて和男の右耳に熱い息を吹きかけてそう囁いた。和男はまるで「待ってました、あなたのそのような欲望剥き出しの姿を」とでも言いたげな君子の言葉に更に刺激を加えられて、ペニスからトランクスの下で暴発してしまったために濡れてその日の暑さを紛らわすのに都合のよい、固有の冷たさにその夜、君子との間で繰り広げられることがどういうことになるのか、ということに想像を只々逞しくしていたのだった。その日和男は何度でも勃起可能だ、そう思った。