Wednesday, November 11, 2009

本格的な翌日の競演(1)

 結局それっきり君子は和男の下に戻らずに翌朝になった。和男は一回君子にすっきりとした気分を味わえたので、ぐっすりと眠れることが出来た。そして七時近くになって何かごそごそと起きて仕事をしている音が台所から聞こえてきたので、君子が炊事をしているのだろうと、和男はすっかりと目が覚めた。
 昨日の夜のことを思い出しながら和男は久し振りに二十代の青年のように朝立ちをしていることに気づいていた。それにしてもあの高校生の頃には時々夢精さえしたものだったし、あの精子がべっとりと纏わりついている感じは流石にブリーフの場合気持ち悪いものであったことを一瞬和男は思い出していた。あの頃は精子も常にずんずんと勢いよく放出出来たものである。要するにスペルマ地獄である。しかしそのスペルマ地獄の快楽も強烈だった。キャバクラなんかに行くと、中年の色っぽいホステス嬢が彼の脛の辺りに手をそっと置いて、ずっと円らな瞳で彼を見つめて和男の話などを聴いていたものだった。そんな時密かに彼はペニスを充血させて、下半身に固有の熱さを感じ取っていたものだった。頼まれれば即相手を抱くことも出来た。
「和男さん、もう起きて召し上がりますか?」
と君子が台所から昨日の夜明けた襖の外まで来てそう言った。すると和男は
「そうですね、頂きますか」
と言ってがばっと起き上がり、昨日脱いだ衣服を即座に着込んで隣室である応接間のソファに腰掛けて待った。すると総一郎の旦那がそそくさと起きて浴衣姿のままそこにやってきて、昨日と同じ場所のソファに座った。そして
「昨日はよく眠れましたか?」
とそう聞いた。和男は一瞬決まり悪い表情を浮かべたが、即座にそれを見せまいとして
「ええ、とても」
と簡素にそう答えた。
 昨日は君子もさぞかし気持ちよく眠れたのではないだろうか?いやあの後この総一郎壮年と一勝負行ったのかも知れない。そのためにアペリティフとして和男は供せられただけなのかも知れない。つまりこの変態夫婦の快楽追求のために和男はただ単に誘われただけだったのかも知れない、そう和男は考えた。しかしそういう内容を考えているなんて、勿論一切この目の前の壮年には気づかれないようにしなければならない。

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