Saturday, December 12, 2009

翌日の本格的な競演(9)

 世の中にはたった三回しかセックスしていないのに六人の子供を授かった夫婦もあれば、千回セックスしても一人の子供も授かれない夫婦もあるだろう。その場合性行為そのものの持つ意味はまるで異なったものかも知れない。だが性そのものは回数とか儲けた子供の数で推し量れるものではないし、増してや複数の異性と一回ずつセックスをしてきた人と一人の異性と一回だけのセックスをして生涯を添い遂げた人とどちらが幸福であるかなど言い得るものではない。つまり全ての人が違うように、全ての人にとって性のあり方とは全く異なった意味を持っている。
 しかしそのことはあくまで客観的なことであり、その時の和男にとってはどうでもいいことであった。和男は君子がどういう行為に出るかだけを注視していた。
 全てのぺニスによる動きを男性郡がし終えた後、おもむろに窓の外の車椅子から半身を持ち上げていた総一郎と、総一郎が果てる前に必死に彼女を後ろから抱いていた和男の方に向き直って、自らの上気した乳房を晒して、今度は二人の男性のし終えた後のペニス、尤も夫の総一郎のものは今しがた果てた後だったので決して未だ萎みきってはいなかったものの、和男のものは今しがた目の前で他人の妻にその夫が後ろから車の窓越しにペニスを突立てるさまを眺めていたものだからすっかり自分自身で臨戦態勢であった時の威勢を失ってはいたものだからそれを慮って君子は早々に夫のペニスを舐め上げて、綺麗に尿道周辺に付着していた精子を唇と舌で拭き取ると今度は他人の和男のペニスを舐め上げて昨日のようにフェラチオをし始めた。いざそうされると即座に勃起した和男はそのさまで自分が未だそう衰えてはいないということを自覚せざるを得なかった。
 和男はまるで自分がそれまで他人の夫婦同士の殆ど変態的でさえある睦み事を観察していたことの褒美に自分のものを舐められているような意識にあった。
 和男は素早く自分のペニスを口元に含み、すっかり怒張したそれを再びすっきりさせようとしているこの君子という女性のしたたかさと配慮に行き届いていることに恐れ入っていた。ここまで微に入り細に入り配慮の行き届いた中年女性というものもそういるものではない。このことこそ未だ十分妊娠して子供を儲けることが可能であるが、同時に自分よりも年長の男性に対しても、恐らく和男よりもずっと若い男性に対してさえ同様に配慮出来るであろう、要するに最も人間的に旬な女性である、それは年齢的にもそうであるが、ある意味では彼女の年齢の全ての女性が決してそういう風にまでは行くまいと思わせるそれだけの度量があった。
 和男は相手のサーヴィスにすっかり安心しきって任せているとある瞬間途端に下半身に先ほど後ろから君子のコンの中にたっぷり精子を注入した時と似たあの固有の絶頂感を得ていた。今日はもうこれは自分で抜いた分を含めると三回も射精している。これ以上和男は明日の仕事のことも考えると、控えておいた方がいいとさえ思えてきた。しかし未だやっと十時になるかならないかの時間であることを何気なくちらと見た自分の腕時計を見て和男は悟った。
 君子は
「和男さんも総一郎さんと負けず劣らず優しいおちんちんの持ち主ですわね」
と言って、自らの中にたっぷりと含みこんだ彼の意気のいい精子を少しだけ唇の外に出して見せて、再びそれを一気に自分の舌の中に含み込ませて飲み込んだ。
 和男は嬉しかった。そして最早そうやって自分の妻が他人のペニスを頬張っていること自体を容認していること自体に平気で対応しているこの中年ではあるが未だ未だ十分異性の目を惹くに値する魅力の女性のもてなしを受けることを積極的に受け入れている自分自身に対して我ながら大胆にもてなしを受けている、そう感じていた。

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