Friday, October 30, 2009

総一郎氏と君子との競演④

 和男はもういても立ってもいられなくなった。何故なら和男が君子によって性的刺激を技と受けていて、それに未だそれくらいのことをして何も感じないくらいに老いてはいない性的感受性自体を、まるで弄ぶように君子が和男の性的興奮を夫である総一郎氏に見抜かれないように必死で取り繕っていること自体を見て、しかも彼自身にはっきりと分かるように目配せしながら、楽しんでいる、その愉悦の表情には、メス豚と呼ぶに相応しいのに、かと言ってそれを拒絶するにはあまりにも惜しい性的魅力を湛えていたからである。
 和男は彼の脛とか腿を総一郎に悟られないくらいに軽妙さで、しかししっかりと性的刺激を和男のズボンの下にひっそりと仕舞い込まれたペニスに直撃していることをその目でしかと確かめている時、ひょっとしたら、彼女のクリトリスもじんわりと温まり、勃起しながら、その実決してそれを直には触らないで想念だけで和男の総一郎に見つからないようにしなればいけないという健気な姿を見ながらでも一回くらいはオーガズムへと至っているのではないかとさえ想像した(接さず漏らすである。ひょっとしたらこういう時のためにバルトリン腺液が滴ることを未然に想定してソファを濡らさないために毛糸のパンティーを履いているのかも知れない)。それくらいこの君子という女性の物腰と男性自身に対するあしらい方は堂に入っていたのである。和男がこの女性を最初に見た時に感じた印象はやはり間違いではなかった。
 和男は総一郎の方に向いて
「また小便がしたくなりました」
と笑顔でそう言って
「トイレへ行ってらっしゃい」
と言う君子(その言い方には含みがある、まるでトイレで一回きちんと抜いて来なさいとでも言いたげな口調である)を尻目に
「どんどん遣って下さいよ」
と酒をもっと飲めという口調でそう言う総一郎の脇を抜けてトイレへ行った。和男はトイレに入ってズボンを下ろし、既に怒張しきった彼のペニスを君子が自分のものを口に含んで彼女のパンティーを片手でずり下ろし、もう片方の手では和男のペニスの付け根にあるホーデン(睾丸)を摩りながら和男の勃起をより持続させるために時々しゃぶる唇を離しては、また口に銜える射精をコントロールする姿を想像して、急いでマスターベーションをした。
 あまり時間をかけ過ぎていると、怪しまれるかも知れないし、戻していると思われでもしても失礼なので、なるたけ若い頃の早漏気味のことを想起して、まるで高校生が年上の女性を想像して「せんずり」を掻く要領で射精した。彼は自分のペニスを扱くのに左手を使うので、右手でねっとりとした精子を受け止めて、それを丁寧にトイレットペーパーで拭き取って水洗で流した。
 それにしてもあの総一郎はことの全てを知っていて、自分の妻を楽しませて、しかも自分より若い妻と性的な意味では相応しい年齢の客人が困る姿を眺めて、妻が倦怠的夫婦生活から少しでも回春作用があることを喜んでいるのではないか、とさえ想像した。
 そしてそれは決して間違いではなかったのであるが、その時は未だ和男にはそこまでは了解出来なかった。
 しかし和男は自分のその時射精した精子が意外とねっとりと濃いことに安心した。俺の性的能力は結婚しても尚浮気するくらいの余裕を残している、とそう思った。そして総一郎の性的能力とはどれくらいのものかということを想像した。つまりそれによっても彼の妻に対する本質的思い遣りの意味が変わってくるからだ。
 しかしそれも和男にとってはじきに分かることであった。

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